第九話 孤独

      2019/08/04

ある日、奥さんからラインが届いた。

 

「母が、もうあなたが来ても家に入れないとのことです」

 

僕は、彼女の実家から出禁になった。

 

第八話 出禁

 

僕は、唖然とした。

 

「どうして・・それだと話し合いが・・」

 

「母の家です。私にはどうしようもありません」

 

嘘だ。

 

奥さんにとっても会いたくないだろうから、出禁の方が都合がいいのだ。

 

むしろ、義母は奥さんをおもんぱかって取った行動なのだろう。

 

実家に行けないということは、子供達に会えない事を意味する。

 

・・・どんだけ僕は嫌われているんだ。

 

奥さんとは、ラインでやり取りするのみになっていった。

 

しかし、その内容はどうすれば別れてくれるかの話ばかりであった。

 

ほどなくして、僕の親戚にもこの話が伝わっていった。

 

叔母は心配してくれて、出禁の話をすると、

 

「なら、私が一緒について行こうか?いくらなんでも年老いた私が行けば邪険に扱わないでしょう」

 

従姉妹も話を聞いたらしく

 

「1番上の従姉妹の私が何かできる事はないかしら」と言ってくれていたらしい。

 

・・・感謝しかなかった。

 

非常にありがたい事だったが、協力をお願いすることはなかった。

 

今思えば、甘えていれば良かったと思う。出来る事はなんでもやれば良かったと思う。

 

なぜ、できなかったのだろう。叔母や従姉妹の力をありがたく拝借できなかったのだろう。

 

おそらく、僕自身がもう奥さんの実家に行きたくなくなっていたからだと思う。

 

彼女の家に行く度に吐き気をもよおすほどの気持ち悪さ、精神的な負担が僕の心と体を重くしていった。

 

明らかに、僕は疲弊していた。

 

両親も、僕に毎日行けと言わなくなっていた。

 

何も成果がないまま、僕は東京に戻った。

 

ヨリを戻すため、僕は様々な提案を彼女に送った。

 

・金輪際ナンパをしない

・女の子のアドレス全て消去

・女の子がいる飲会に参加しない、怪しまれる行動を一切とらない

・会社の飲み会はメールを証拠に提出する

・自宅〜会社間で何処にも寄ってない事を証明するため、
以下の時間を写メに撮って送信

退社時間を示した会社の時計
会社の最寄り駅に着いた時間を示した駅の時計
自宅の最寄り駅に着いた時間を示した駅の時計
自宅に着いた時間を示した自宅の時計

・スマホの中身全部公開

・女遊びしないように給料全額奥さんに管理

・土日もどこにいるか写メ、電話、動画なんでも送信

 

しかし、いい返事はこなかった。

 

もう、虚無感しかなかった。

 

東京に戻ってから

 

砂を嚙むような

 

味気ない毎日が始まった。

 

子供達と会えない寂しさ。

 

妻を裏切った罪悪感。

 

両家の両親を悲しませた申し訳なさ。

 

自分への憤り。

 

そして訪れる孤独。

 

仕事も手に付かない。上の空だ。

 

時折、心を締め付ける感覚が襲ってくる。

 

気分が悪くなる。

 

仕事後、地元駅に着く。

 

自宅に帰りたくない。

 

どこかに寄りたい。

 

でも、寄り道をしていたら遅くなる。

 

遅くなると、何をしていたか怪しまれる。

 

会社を出てから、自宅に戻るまでの時刻を写メに取り続け、すぐに奥さんに送信していた。

 

返事はなかったが、ひたすら送り続けた。

 

駅から歩いて自宅に帰る。

 

自宅に近づくにつれて憂鬱になる。息苦しくなる。

 

自宅の近くにコンビニがある。かつて、ここに家族で仕事帰りにによく寄っていた。

 

コンビニで働いてる何人かのおばちゃんは、子供をよくあやしてくれていた。

 

もう、気まずくて寄れない・・・

 

自宅に到着する。

 

誰も話し相手がいない。

 

しんと静まり返った空気だけが、ある。

 

1人で食事をとる。

 

・・

 

・・・

 

・・・・

 

食欲がない・・・

 

食事が喉を通らない・・・

 

食べても全然が味がしない・・・

 

毎日子供の元気な声が響き、

 

私と妻との何気ない、

 

平凡で幸せな会話がかつてこの家にはあった。

 

だが、今は、もうない。

 

僕は、絶叫した。

 

「うわあああああああああああ!!!!!!!」

 

かつて家族で寝ていた部屋に1人ぼっちで寝る。

 

・・・・・孤独。

 

毎晩枕を涙で濡らした。声もあげずに泣いていた。

 

「うううううううう」

 

ひたすら毎日、写メを送り続けた。

 

ある日、奥さんからラインが届いた。

 

「こんな写真送られても意味ない」

 

もう、何をしていいかわからなくなっていた。

 

次第に、彼女は僕との今までの結婚生活全てを否定するようになっていった。

 

そして、事実を歪め、僕を挑発するようになっていった。

 

「喧嘩した時に電話していたらあなたに殴られた」

 

「嘘だ、喧嘩の最中に電話をするから取り上げただけじゃないか」

 

どんな手を使っても離婚したいという彼女の手法に驚いたが、

 

それも全部自分が原因なのだ。

 

でも、そんなことにも気づかず、挑発に乗っかってしまった。

 

僕は、どんどんやさぐれていった。

 

今考えれば、ひたすら耐えなければいけなかった。

 

当時、このことを相談していた人は少なかった。

 

数少ない相談相手に、会社の社長付き運転手のおじさんがいた。

 

彼は、30過ぎの娘がいた。

 

「お前さん、、」

 

「いいかい、これからお前さんの奥さんはたくさんの嫌がらせをしてくる。お前さんを挑発して試してくる」

 

「絶対に怒ってはいけない」

 

「怒ってはいけないよ」

 

そう言われていたのに。

どうして、僕は挑発に乗ってしまったのだろう。

 

自分の禊は全て否定され、いつまで続くかわからない深い闇の中であがき、もがき続ける生活に希望を失っていた。

 

自暴自棄になっていった。

 

次第に、彼女とのラインのやり取りの頻度が少なくなり、

そしてなくなっていった。

 

 

季節はいつの間にか夏が過ぎ、秋が過ぎていき、年が明けていた。

 

僕は、寒い中、毎日空虚な生活を送っていた。

 

孤独な毎日を過ごしていた。

 

ただただ、時が過ぎていた。

 

あくる日、一通の封書が届いた。

 

差出人の欄を見る。

 

そこには、◯◯地方裁判所と記載があった。

 

封を開ける。

 

手紙の冒頭に

 

「調停の申し立て」

 

と記載されてあった。

 

僕と奥さんの争いの場は

 

 

裁判所で行われることになった。

 

 

続く

 

 

 

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