第六話 観念

      2019/07/15

父「お前は兄貴以上に悪い奴だ」

 

 

第五話 保身

 

父にこう言われ、

 

僕は父を見つめ

 

声を出して

 

みんなの前で、泣いた

 

 

「うううああああああぁぁぁっ!!!!」

 

 

「あああああぁぁぁああっ!!!」

 

 

同情をひこうとしてわざと泣いたのではない。

 

心から、悲しくなって、胸が苦しくなって、涙が溢れてきた。

 

涙が止まらなかった。

 

いつまでも泣き続ける僕を見て、
母が見かねて父に言った。

 

母「そこまで言うことないじゃない・・・」

 

 

詳細は割愛するが、兄貴は反社会的な人間だ。

 

家族、一族にたくさん迷惑をかけていた。

 

何度も嫌な思いをさせられた。

 

あいつは死ねばいいと普通に今でも思っている。

 

友人に話すと、兄弟が死ねばいいなんて考えもしないと言われ、

 

自分は人とは違うんだとその時初めて気づいた。

 

自分は兄貴より遥かにいい人間だと確信していた。

 

遥かに親孝行している自覚があった。

 

自分の方が上だと思っていた。

 

しかし、父からその兄貴より悪いと言われ、心が壊れた。

 

自分はあいつより悪い人間なのか。

 

確信していた自尊心がズタズタに引き裂かれた。

 

自分の行為がそんなに両親を傷つけていたのか。

 

 

「とうちゃんごめん。」

 

「かあちゃん。ごめん・・・」

 

 

大の男がヒクヒク泣きながら、かろうじて声に出した。

 

 

父「ほんとにお前はひどい奴だ・・・」

 

「うううう・・・」

 

 

僕は、もう観念した。

 

 

「僕は、、、もうどうなってもいいです・・・」

 

「僕に会わせなくてもいいから・・」

 

「ただ、両親には、これからも子供に会わせてやってください・・」

 

 

僕の両親は高齢で、孫と遊ぶのが楽しくて仕方がないようだった。

 

両親に対して、極悪人の烙印を押された自分ができる
精一杯の誠意のつもりだった。

 

だが、それを聞いて彼女は

 

 

「あの子は、あなたの事が大好きなのよ・・・」

 

 

僕に呆れ、そしてきっぱりと

 

 

「嫌です」

 

 

僕の目を見て言った。

 

何をしても、もう僕のお願いは聞き入れられないのか。

 

両親は孫を失うのか。

 

父が、口を開いた。

 

 

父「離婚は、もうちょっと待ってくれないかな」

 

父「俺たちも、今初めて知って、混乱してるんだよ」

 

「・・・・」

 

 

奥さんは、父に頼まれ、ためらっていた。
まだ父に対してはリスペクトしていた。

 

 

父「頼むよ」

 

彼女はしばらく悩み、僕を見ながら答えた

 

 

「・・・私も、、この人の泣いている姿を見て、
まだ私には愛情が残ってるんだと思いました」

 

 

救われた気持ちだった。

 

 

父「お前」

 

「・・・」

 

父「今すぐあちらの実家に行ってご両親に謝ってこい!」

 

「・・・はい」

 

奥さんは兄弟の家に向かい、彼女の実家には僕1人で行くことになり、途中まで僕と奥さんと2人きりで向かった。

 

ここから、記憶が断片的に抜けている。

 

僕は奥さんと2人っきりで何を話したのだろう。

 

だが、電車の中で、他愛のない話をした記憶がある。

 

意外だと思われるかもしれないが、ギスギスした話や
僕が怒られているだけではなかった。

 

だが、先に兄弟が住む駅に降りる間際
ハッキリと言われた

 

「許さないから」

 

僕は、ただその言葉を受け入れるしかなかった。

 

そんな心境だった。

 

タクシーで向かう途中、頭の中は謝ることしか考えていなかった。

 

もう、正直に話そう。

 

 

実家の前に着くと、義父が庭で作業をしていた。

 

緊張で体が固まりそうだった。

 

しかし、もう、逃げられない。

 

僕は、義父のもとに走って行った。

 

「お義父さん・・・・」

 

声をかけた時、僕はどんな顔をしていたのだろう・・

 

義父は僕に気づくと、作業をやめ、

 

目を合わせず

 

家に入るよう手招きをした。

 

僕は、玄関に通された。

 

玄関に通されて、いの一番に土下座した。

 

義父に対しての正直な謝罪の気持ちを見せたかった。

 

そして、許して欲しかった。

 

 

「お義父さん・・・」

 

「・・・申し訳ございませんでした」

 

義父「ああ・・」

 

義父「そんなことしても、どうにもならないから」

 

少しでも許してほしい気持ちは打ち砕かれた。

 

居間に通された。

 

義母も僕に気づき、居間にやってきた。

 

3人で、居間の床に腰掛けた。

 

 

義父「話を聞かせてもらおうか」

 

 

続く

 

 

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